やりたいことをやるつもり

なんでもかんでも記録する。

ゆとり世代・さとり世代と言われても困る

大学生になりたての頃、叔母から「今の大学生はさとり世代」だと言われました。

曰く、出世欲がなく、気概が足りない、どうせ上にはいけないと思っている。

 

先日、とある大学の授業で、「今の若者は世界を目指さない」ということを熱く語る人がいました。

曰く、周囲の人が大事で、そこそこの給与と地位で穏やかに暮らしたいと思っている、だから世界に出ようとせず、結果として日本は世界に対して立場が弱いのだ。

 

でも毎回こう思うわけだ。

それの何が悪いの?

 

1.そもそもそういう教育を受けてきた

幼いころから言われませんでしたか。

・争いはよくない

・自分がされて嫌なことはしてはいけない

・生まれや信条で人を差別してはいけない

・個性を大事に

ナンバーワンよりオンリーワン

 

個性を大切にして、感受性を育てようとしたゆとり教育のたまものかもしれない。

私はこれを忠実に守っているいい子ではなかろうか?

人に攻撃をせず、仲間(周囲にいる家族友人恋人)を大切にして生きていこうと言うのだ。

そこに人と争って上にいこう、上にいこう、という気持ちなんて生まれるわけないです。

争わなくてもそれなりに生きていけるし。それの何が悪いの?

 

2. 覇気がないのではなく、尊重しているのだ

私は政治とか宗教とかマイノリティへの態度とか、意見は人それぞれだということを知っています。

その事実に対して特に思うところはありません。

でもそれを押し付ける人が嫌い。

自分と違う意見の人を貶めて、自分の意見を高めようとする人が嫌い。

 

相手がその意見を持ってる、私は違う意見を持ってる、それだけのことのはず。

意見が人それぞれだというのは事実であり、それを尊重したいと思っています。それは私の好き嫌いとは関係ない話です。

 

その人の意見が嫌いだからと言って、攻撃するのはよくない。でも、嫌いな人や嫌いな意見が近くにあるとどうしても嫌な気持ちになったりイライラしてしまう。だから離れる(twitterならミュートしたりね)。

 

人によってはこれが無関心だとか覇気がないとか思うのでしょう。でも、私は攻撃したくないし攻撃されたくない。相手の意見は尊重するけど同意はできない。そこで軋轢は生みたくない。

 

もちろんちゃんと議論することは大切だと思います。

商品とか企画とかサービスとかそうやってどんどん改善していくものだと思うし、仕事上でそれをするのは全く問題ありません。

でもプライベートでは、人の意見に口出ししたくない。

 

3. 上にいけないというのは割りと事実だと思う

1996年生まれ。早生まれなので学年としては1995年。

あんまり明るいニュースを聞いた覚えはありません。

政権がどんなに変わっても、それほど世の中明るくならないのを見て育ちました。

災害大国日本で、日常が崩れ去るニュースをたくさん見ました。

図書館が大好きで、司書になりたくて大学の専攻を決めたけど、多くの司書がワープアで生活すら厳しいことを知ってやめました。

 

うちの祖父は「いいとこの四年生大学に行ったんだから、公務員なんて簡単だろう」と言います。きっと祖父の時代もしくは私の両親世代はそうだったのでしょう。

そんなわけないことを私は知ってます。

 

誰でも情報発信ができる時代だからこそ、成功した人の話も失敗した人の話もたくさん見ました。そこでたぶん多くの人が思ったはずです。

 

「成功できるのって一握りの人間だけなんだ」

 

実際たぶんそうです。何か才能がある人、強い人脈を持っている人、たくさん努力できる人、失敗を恐れない人。そういう人は成功しているんだと思います。

 

でも凡人にはリスクが高すぎる。

失敗したらやり直しがきく保証なんてない。

失敗の行き着く先は死かもしれない。

 

それならハイリスクハイリターンよりも、それなりのリスクでそれなりのリターンを得て、穏やかに暮らしたい、というのが当然の思考ではないでしょうか。いのちだいじに。

 

それなりに豊かな時代に生まれたからこそかもしれません。リスクを犯さなくても自分一人(と周囲の数人)ならなんとか生きていける気がする。というのが私の気持ちです。

 

4. まとめ

高い志をもって前に進む人は素晴らしい。応援したいと思っています。

ただ、そうじゃない人に対して「覇気がない」「気概がない」「ゆとり世代・さとり世代」と言うのはやめていただきたい。

自分と、自分の好きな周囲の人々がハッピーに人生を終えられる、それで十分。

そのハッピーの形は人それぞれなので、大いなる壁に挑戦することがハッピーにつながる人もいるし、自分が大きな世界で活躍することがハッピーな人もいるし、給料が低くても余暇をたくさんとって趣味に没頭するのがハッピーな人もいるし、周囲の人をハッピーにすることがハッピーな人もいるし。

あなたが「覇気がない」と評価した人は「人と争わずにのんびり暮らすことがハッピー」な人かもしれません。

自分のハッピーを押し付けてはいけない。

それぞれのハッピーが尊重される世界になるといいですね。