かれこれ6年ちかく、筑波大学付属図書館でバイトをしています。
そのうち約4年が中央図書館、約2年が図情図書館で、ヘルプとして医学や体芸にも行きました。
その中で質問されることが多いもの、注意してほしいことなどをまとめてみました。
ぜひご活用ください……!
①学生証がなくても入れる
一番知っていてほしいのはこれです。
よく学生証を忘れたからといって先にゲートを通った友達に学生証を投げてもらったり、二人同時に入って強行突破しようとする人がいますがやめてください!!!
特に強行突破はゲートの調子が悪くなったりします。大変高いものなので本当におやめください……
<お客様ー!あーっ!困ります!お客様ー!
学生証を忘れたときは、カウンターの人に所属と名前を言う(中央図書館では書くこともある)と、手動でゲートを開けて、中に入れてもらえます。
貸出はできませんが、印刷だけ、雑誌のコピーだけのときなどは便利です。
②学外者も入れる
他大学の図書館だと紹介状がない人は入館できなかったりしますが、筑波大学は塀も門もない地域に開かれた大学なので、学外者も自由に入れます。
カウンターの人に「学外者で、閲覧/見学希望です」と伝えてください。
中に入ってから「閲覧申込書」もしくは「見学申込書」を記入して、閲覧バッジもしくは見学バッジをもらえば、あとは自由に利用できます。
閲覧申込書の記入項目は
・日付
・名前
・電話番号
・住所
です。
見学申込書は代表者のみ記入で、項目は
・日付
・代表者名
・見学人数
・所属機関(もしくは住所)
です。
閲覧→資料を読む、見学→設備のみ見学となります。
オープンキャンパスなどのときは申込書なしで入館できます。
こちらも貸出はできず、貸出をするためには「学外者利用証」を作る必要があります。利用証の詳細は図書館のHP参照。
③Tulipsの検索とOPACの検索は違う
みなさん大好きTulips。筑波大学附属図書館のHPであると共に優秀な情報探索サイトですね。
実はOPACという項目があるのをご存知ですか?
通常Tulipsのトップにある検索窓(Searchと書かれてる枠)で検索すると、世界中の論文やら蔵書やらがひっかかります。
ところがこのOPACのページに飛んで検索をすると「筑波大学で所蔵している資料」だけに絞って検索ができます!
「○○に関する資料を探したい」ならTulips Searchで、「××という本を筑波大学で借りられるか知りたい」ならOPACで探すのが便利です!
あと便利(?)な技として、ある本と同じような本を読みたいと思ったときに、OPAC検索の「請求番号」のところに、背表紙に貼ってあるラベルの数字(※後述します)を入れて検索すると、図書館にある同じ分野の本をざーっと探せます。
「キーワードが思いつかないけど、なんとなく分野で探したい」ときにもオススメです。
④ブックポストへの返却は朝の開館時間までは「前日返却」扱い
これは秘密の話かもしれないので、関係者のかた、ダメなら教えてください。
ブックポストに夜間(閉館後)に返された本は、次の日の朝に回収して返却処理をします。
このとき、「前日に返却された」ものとして処理をします。
これはブックポストに入れられた本はいつ入れられたかわからない & 閉館後であっても、返却日の0時までは「返却日」として数えるためだと思われます。
そのため、閉館後に「今日が期限の本返してなかった!」と思っても諦めず、翌朝8時くらいまでにブックポストに入れておけば、ペナルティが付きません。
ちなみに、筑波大学附属図書館では、返却はどこの館(どこのブックポスト)でもできます。
CD、DVDなどの付属資料やAV資料はブックポストではなくカウンターに返却をお願いします。割れるので。割れるので。(大事なことなので2回ry)
ちなみに、付属資料は本と一緒に返さないと返却扱いになりません。
⑤本には番号が付いている
これは以前Twitterで書いたことがありますね。
そういえば、図書館で使った本をてきとーに棚に返す人!筑波大の図書館の本には位置情報を示すチップは入ってません!職員さんも全部の本の位置なんて把握してません!あなたがてきとーに返したことでその本はほぼ永久に見つかりません!他の人に迷惑かかると同時に、未来の自分がレポートで困るぞ!!
— ういうい@つくば (@uimy28) 2018年4月15日
そうなんです、実は図書館の本はきちんと法則にしたがって並んでいて、職員もそれを頼りに探しています。なので、その法則を無視しててきとーに置かれるともう探せません。
その法則がなにかというと、「背表紙のラベルの番号」です。
上の段が分野の番号、下の段が作者識別番号になっています。
通常、上の段の番号順→アルファベット順→アルファベットの後の番号順という並びになっています。
例えばこれ、016.23という分野の番号が付いています。そのため、この本の前後は
016→016.2→016.21→016.23→……→016.3→……→017…のような順番になっています。010番台の中の、016番台のなかの、016.2番台の中の016.23番です。(伝わりますか……?)
それから、016.23番の本が並んでいるところにいくと、こんな風に並んでいます。
A 99→B 01→……→B 50→B 51→B 52→B53→……B 99→C 01→…
あくまでアルファベット順に並べて、その中で番号順に並んでいます。
つまりこの本の一つ前は016.23-B51です。
この法則に従って本を探し、持ってきて、返却すればよいのです!なんて画期的!()
ちなみに同じ著者の同じ分野の本は同じ請求番号になります。
本の個体識別は裏表紙にあるバーコードの数字で行っています。
もし、「持ってきたは良いけど返すところが分からんくなった」という方はカウンターに持ってきて、返すところが分からない旨を伝えてください。職員が教える or 正しく戻します。
てきとーな棚に戻すと本当に見つかりません。
よろしくお願いします。
なお、筑波大学附属図書館の資料の請求番号は日本十進分類法を採用しています。
https://www.ndl.go.jp/jp/data/NDC10code201701.pdf
こちらで自分の専門分野・興味がある分野の番号を確認しておくと更に便利です。
ちなみに私は010番台、360番台、370番台をよく借ります。
⑥本が見つからないときに探す場所
「参考図書」という、貸出ができない資料があります。主に事典とか資料集ですね。
これは私の経験が長く、配置を覚えている中央図書館と図情図書館しかはっきりしたことが言えないのですが……
中央と図情にはこの「参考図書」だけをまとめた棚の列が存在します……!
「探したけど棚にありません」という申し出の4割くらいは「参考図書の棚を見ていました」でした。
番号で探してるのに本が見つからないな……?というときは、そのあたりに並んでいる本の背表紙を確認してください。「参考」という緑色のシールが貼ってある資料ばっかり並んでいたら、そこは参考資料の棚です。
館内図を確認して、正しい棚を探してみてください。
あと見つからないパターンとしては「新着図書の棚に並んでいる」「図書館のどこかで特集が組まれていて、そこに並んでいる」「返却されたばかりで棚に戻っていない」です。ご検討ください。
それでも見つからなければ、喜んで一緒に探しに行きます!
⑦貸出は土曜日がお得
筑波大学では図書の貸出は3週間になっています。
しかし!本の少しだけ貸出期間を延ばす裏技があります。それが土曜日に借りること。
実は土日の返却期限、3週間後の月曜日なんです。
つまり、土曜日に借りると3週間+2日借りられます!
たかが2日、されど2日。
じっくり読みたい方は土曜日にご来館ください。
⑧平日17時以降と休日のカウンターはアルバイト職員
実はこれ、すごく大事な話なんです。
アルバイト職員はアルバイトなので、できることが限られています。
例えば、
・お金関連のこと(領収書を出す、コピー機に詰まったお金を返す、学外複写資料を受け渡す、両替をする、貴重品の落とし物を受け渡す)
・データ関連のこと(学外者にカードを発行する、本のデータの修正をする、利用者のデータを修正する)
・学外に連絡しなくてはいけないこと(学外からの取り寄せや複写の申し込み、紹介状の発行)
などはできません。
それから「○○に関する資料・本を探してほしい」というお願いには、できる限り対応しますが、本職の方にはかないません。
一応各館のカウンターには、「司書資格を持っている人」or「筑波大学附属図書館で3年以上アルバイトをしている人」が常駐していますが、それでもやはり本職の方にはかないません。
探してほしい資料がある方は平日の17時までにご来館ください。
お金関連やデータ関連でトラブル(コピー機がつまった、返したはずの本が返却扱いになっていない等)は、カウンターに伝えていただければ、平日の職員さんに申し送りをしておきます。お手数ですが、再度平日にご来館ください。
貴重品の落とし物については、
「当日分」→本人確認をして返却
「前日以前分」→警備員室にて返却、もしくは平日に本人確認をして返却
です。
財布やカード類、スマホを落としたな、と思ったらカウンターにお声がけください。
当日分ならお渡しして、前日以前なら今どこに預けてあるのかをお伝えします。
⑨本には持ち出し防止タグが入っている
筑波大学附属図書館の資料には、もれなくどこかに持ち出し防止タグが入っています。
これはレンタルDVDショップとかでも採用されている、そのままゲートを通ると警告音がするやつです。
図書館では貸出のときにチェックを外し、返却されたときにチェックを付与しています。PCで本のバーコードをピッてやったあとに、灰色の謎の機械でガッコン、とやっています。あれです。
自動貸し出し機で置く場所を指示しているのもチェックを自動貸し出し機で外すからです。
この持ち出し防止タグ、閲覧バッジや研究個室の鍵なんかにも入っています。
そのまま退館ゲートを通ると警告音がなります。鳴ったら強行突破せずに、戻ってきて、鞄の中身を一緒に確認させてください。(盗難防止なのでごめんなさい……)
しかも、時折スマホやPCや鍵束が引っかかることがあります。
過去一番意味が分からなかったのはテニスラケットに反応したときでした……。
「貸出はしないけど、少しだけ図書館から出たい。本は確保しておきたい」もしくは「研究個室の鍵を返却して、再度借りるのが面倒」というときには「ロッカーに預けて外出する」という裏技があります。
ただ、他の人も使いたい資料かもしれません。
外出が1時間以上になる場合は大人しく一旦棚に戻しましょう。
ロッカーは閉館したら強制的に開けて、中身は落とし物として回収します。必ず当日中に荷物を回収してください。
⑩汚破損した本を見つけたとき
すぐにカウンターに持ってきてください!!
みなさんが思っているよりも、意外と紙は丈夫で、本を直す技術は発達しています。
ページが破れていても、背表紙がとれていても、濡れてても直ります。
ただ、放っておくと汚破損がひどくなるかもしれません。
すぐに教えていただけると助かります。
汚破損している本を借りたいときは、自動貸し出し機ではなくカウンターにお持ちください。
カウンターで応急処置をして貸し出したり、「この本の破損は貸出時からです」というメモをお付けしたりします(返却時に、借りた人が破損したのではないという証明になる)。
自分で汚破損してしまった場合も、すぐにご連絡ください。
修理できるレベルなら、ほとんど弁償請求はされないと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。知らないことはありましたか……?
ルールとマナーを守って楽しい図書館ライフを送ってください。
職員さんはいつでもみなさんの味方です!!
おまけ
ここからは役には立たないけどあまり知られてない雑学を追記しておきます。
①入館者数は退館ゲートで数えている
カードをかざして入館する入館ゲート。しかし、手動で開けたり、学外者が入ったりするので、入館した人数自体は退館ゲートのセンサーで数えています。
もちろん、入館ゲートにカードを通した記録は残ってますが……
②以前、資料の落書きに関する曲が作られた
図書館の本にされた落書きは、アルバイト職員がひたすら消しゴムをかけます……ひたすらです……その悲哀を描いた曲ですね。
このバンドは図書館アルバイターで結成されています。
消しゴムかけをしていると、本の前半部分にたくさん線がひかれていて、半分以降に線がまったくないものがあり「あっこいつ、ここで読むの諦めたな」って思います。わりとあります。
普通に大変 + 紙が古いと消しゴムかけで破れたりするので線はひかないでください。
本に線を引きたいなら自分で買え。
③セミナー室と研究個室の他に「お話ルーム」がある
筑波大学附属図書館では、Tulipsのマイページから、図書館の施設を借りられます。
中央図書館ではセミナー室と研究個室、体芸図書館ではセミナー室と研究個室、医学図書館ではセミナー室と研究個室、図情図書館ではセミナー室と……お話ルーム?
これは春日エリア(春日地区でも春日キャンパスでもないぞ)が図書館情報大学だったころの遺産です。
背の低い机と椅子が置いてあって、紙芝居と外国語の絵本が置いてあります。
入り口に大きいくまちゃんがいて、季節ごとに可愛い帽子をかぶっていたりします。
読み聞かせなどの練習に最適です!!
あと実は鍵がかかるので内緒話にも……鍵かけないでほしいけど……
ただ、机や椅子が低いので、かなり勉強には向いていません。
④図書館って意外と安全じゃない
これはおまけだけど、覚えておいてほしい話。
これまで、図書館内では盗難騒ぎも盗撮騒ぎもありました。
私が中央図書館にいた4年間だけでも、盗難に1回、盗撮に2回出会いました。
私が出勤していたのは月に3,4回の土日だけなので、実際はもっとあったと思います。
盗難は、寝ている人、席を離れている人の鞄から財布やPCやスマホを盗るパターンが多く、盗撮は女子トイレ個室のドアの上からスマホで、というのが多いようです。
貴重品は肌身離さず持ち歩いてください。
(あんまり推奨されないけど)寝るときは荷物をお腹側に抱えるか、ロッカーに預けてください。
トイレに座るときは頭上に注意してください。
もちろん巡回はしていますが、何せ図書館内は広いです。とても完全には目が届きません。十分警戒してください。
以上!質問もぜひ!答えられる範囲で答えます!